【鯉のぼりの由来】
鯉のぼりは、江戸時代に町人階層から生まれた節句飾りです。
鯉は清流はもちろん、池や沼でも生息することができる、非常に生命力の強い魚です。その鯉が急流をさかのぼり、竜門という滝を登ると竜になって天に登るという中国の伝説にちなみ(登竜門という言葉の由来)子どもがどんな環境にも耐え、立派な人になるようにとの立身出世を願う飾りが「鯉のぼり」です。
端午の節句のお祝いは、本来五月五日の節句当日ですが、前の日の晩(宵節句といいます)にお招きしてお祝いをしてもよいでしょう。両家の両親やお祝いをいただいた方、普段親しくしている方たちを招きます。ごちそうは、鯉や栗、それにちまきや柏もちがつきものです。
また、端午の節句と菖蒲は切ってもきれないものです。菖蒲は悪鬼を払うといわれ昔から端午の節句に使われています。家の屋根や軒先にさしたり、お酒にひたして菖蒲酒にして飲んだりします。また、菖蒲枕といって枕の下にしいたり、お湯の中に入れて菖蒲湯にして入ります。いずれも身体に悪い気がつくのを防ぐという意味から使われるならわしです。
●鯉のぼりは誰がかうの?
男児の節句の五月節句の場合は、双方の実家で話し合い、内飾り(兜など)・外飾り(鯉のぼり)と分ける場合もありますが、どちらか一方のみ買う場合などでも近年は話し合いによって購入されているケースがほとんどです。どちらかと言う決まりはありません。
●いつまで揚げておくの?
鯉のぼりを揚げるのは少し早目が良いでしょう。できれば御節句の一か月前くらいから遅くとも一週間前には揚げるようにしたいものです。片づけは五月中旬から下旬を目安にしましょう。*地方により旧暦でお祝いする場合はこの通りではありません。
【お手入れの仕方】●雨の日は?ポリエステルでできている鯉のぼりは、雨で色落ちすることはありません。一方ナイロンの場合は濡れた状態で 重ねると稀に色移りすることがあります。また、どちらの生地の場合も酸性雨などの影響で汚れが染み付いたり、生地が傷んだりすることもありますので、雨の 降りそうな時は取り込んだ方がよろしいでしょう。
●しまう時の工夫
鯉のぼりをしまうときは、鯉のぼりを良く干して、湿気の少ないところにしまいましょう。
●洗濯の仕方
洗濯は手洗いで行ってください。お風呂場の浴槽に中性洗剤を入れて浸けおき洗いをして、汚れのひどいところ だけもむといいでしょう。洗濯機をご使用になると、口輪の破損の原因になりますのでおさけ下さい。
●金箔鯉の洗い方
金箔付の鯉のぼりの場合は、浸けおき洗いでも金の粒子が浮いてくることがあります。金箔部分はもみ洗いをし ないで下さい。また、干すときは絞らずに水を切るだけでそのまま干してください。
●ドライクリーニングは大丈夫?
ドライクリーニングは、金箔の変色やはがれの原因になります。また、機械を使用すると、口輪の破損の原因に なりますので避けた方が賢明です。
●鯉のぼりはどれくらいもつの?
鯉のぼりの素材には、大きく分けてポリエステル系とナイロン系があります。
素材によって色褪せが違いますが、ポリエステル系繊維のものは特別の圧力(3kg140℃、35分)をかけ、発色定着をしておりますので、5~8年程度で色褪せがはじまる場合があります。※ご使用の状況、環境により耐久年数は異なります。
【選び方のポイント】
●飾る場所
まずは、飾る場所を考えてみましょう。広いお庭に飾るのか、小さいお庭やベランダといった限られた場所に飾るのかでは、選ぶべき鯉のぼりのサイズや器具が変わってきます。
また、大きなお庭に大型ポールなどを設置する場合の目安として、(ポールの中心から)吹流し(または黒鯉)のサイズ+1m以上の半径を確保してください。
●素材
鯉のぼりの素材には、大きく分けてポリエステル系とナイロン系があります。
素材によって色褪せが違いますが、ポリエステル系繊維のものは特別の圧力(3kg140℃、35分)をかけ、発色定着をしておりますので、5~8年程度で色褪せがはじまる場合があります。※ご使用の状況、環境により耐久年数は異なります。
●デザイン
伝統的なデザインの鯉のぼりはもちろん、日本画調のもの、有名デザイナーが手がけたものなど、さまざまなデザインがございますので、お好みに合わせてお選びください。
【こいのぼり生地の特徴】
●東レ「シルック」
東レ「シルック」は、30数種にも及ぶ特許を駆使して作られたポリエステル繊維です。異形断面フィラメント糸により、絹をしのぐ光沢としなやかな肌ざわり、鮮明な発色が特徴です。
●東レ「アミック」
東レ「アミック」は、30数種にも及ぶ特許を駆使して作られた全く新しいナイロン繊維です。優雅な光沢と鮮やかな色合いが特徴で、ワンランク上のナイロン素材ともいえます。